日々徒然愉快探索

アラカンおひとりさま生活を徒然なるままに。

jaguar hard pain1944ー1994(3rd.アルバム)

jaguar hard pain1944ー1994(1994.3.1リリース)

Jaguar Hard Pain
Jaguar Hard Pain
日本コロムビア
ミュージック

1. SECOND CRY 2. FINE FINE FINE 3. A HENな飴玉 4. Rock Star 5. 薔薇娼婦麗奈 6. 街の灯 7. Red Light 8. セルリアの丘 9. 悲しきASIAN BOY 10. 赤裸々Go! GO! GO! 11. 遥かな世界 12. Merry X'mas


「THE YELLOW MONKEYにとっての『ジギー・スターダスト』(デヴィッド・ボウイが'72年に発表したグラムロックの名盤中の名盤)が作りたかった」という想いが結実したアルバム。
三島由紀夫に影響を受けちゃったロビン、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」読んで2ndアルバムよりもさらに明確にテーマを打ち出して作らはった。
アルバム全体がストーリー仕立になってる。異国で戦死しはった若き日本兵「ジャガー」が、死ぬ瞬間に祖国に残してきた恋人の魂を見てしもたために、その魂が50年後の現代(当時1994年)へタイムスリップし恋人を捜してさまよう、っちゅー設定。永遠に死なへん人間の魂がテーマ。「6. 街の灯」だけEMMAとの作曲。



1. SECOND CRY
タイトルは「二度目の産声」。シリアスなメロディに乗せて、死んだはずのジャガーが時を超えて復活する様を切実に歌い上げ、このアルバムの世界へと誘ってゆく。合間に一瞬聞こえる2ndアルバムのエンディング曲「シルクスカーフに帽子のマダム」。ジャガーの魂が現代に目覚める瞬間。


2. FINE FINE FINE
がらりと変わって激しいロック。現代の世界でのジャガーの歪んだ気持ちを歌うのか、ラストの「I NEVER DIE」「FOOLS NEVER GONNA DIE」の歌詞が悲痛に響く。


3. A HENな飴玉
A HEN=阿片。エスニック調のメロディとLovinの歌い方がイっちゃってて、艶かしく怪すぃ〜雰囲気。阿片でトリップしてるよな感じ。ライブではLovinのぐにゃぐにゃ踊り付き。


4. Rock Star
タイトルどおり、ノリノリ(死語?)のロケンロール。
「ロックスター」っちゅー古臭い言葉の放つ安っぽい響きと小馬鹿にしたようなヴォーカルのせいで、夢を追うロッカーを揶揄するよな毒を少し感じたりもするんやけども、ジャガーが「A HENな飴玉」で幻覚を見て「ロックスターになればこーんな美味しい夢のような生活が待ってるんだ~♪」なんて歌ってんのです。「死んだら新聞に載るようなロックスターに♪」素直に受け取れば、ファンにはとっても嬉しい頼もしいメッセージ。


5. 薔薇娼婦麗奈
タンゴ調のメロディ。少女売春婦とジャガーの倒錯した愛の形の歌。「薔薇娼婦麗奈」という名前の持つ雰囲気と相まって、とてもデカダンス。現代社会の黒い部分を描いてるのかな。


6. 街の灯
道化師か喜劇俳優がイメージに浮かぶ曲。恋人を捜すジャガーの苦労が、おどけた感じに描かれてる。昼間から酔っぱらって警察のお世話になって、どうしょうもないジャガー(笑)。


7. Red Light
冒頭のか細く物悲しい女声ヴォーカルに途中からLovinのハモリが加わり・・・と、いきなりへヴィなイントロへと突入してゆく。叩き付けるようなリズムと不穏なメロディ、かっちょええです。少女売春婦とジャガーの行きずりの情景。


8. セルリアの丘
しっとりしたバラード。中盤以降のメロディラインと歌詞が、とても美しく心に染みる。街の雑踏からセルリアの咲く丘へやってきたジャガーが恋人マリーへの想いを募らせる。切なくやるせない心情を歌った歌。


9. 悲しきASIAN BOY
自分の命も大切な恋人も運命に任せ命令に従うしかなかった若き兵士の、潔さに秘められた深い悲しみ。「愛と誠に身を焦がしていた」「夢よ飛び散れ花となれ」など、情緒豊かな美しい言葉で綴られた歌詞はとっても素敵。サビのところで入るストリングが、さらに情感を高めてたまらないーといった感じ♪
ライブでは力強いイントロと冒頭のシャウトで大歓声がわき起こる「キメの1曲」です。「THE YELLOW MONKEY」の電飾がステージの上から降りてきて感無量(涙)「We are No.1 Japanese Rock'n Roll Band!! THE YELLOW MONKEY!」のキメ台詞で、会場は最高潮に達するのだ♪♪♪ アルバムに先行して'94年2月21日に3rdシングルとしてリリースされた。


10. 赤裸々Go! GO! GO!
シングル「悲しきASIAN BOY」のカップリング曲。ゴーゴーリズムが古臭いような懐かしいようなノスタルジックな雰囲気で、「GO! GO! 赤裸々GO! GO! GO!」と「蟻地獄で逢いましょう」というフレーズが耳に残る。マリーを探し出せんくて苦悩するジャガー。


11. 遥かな世界
ヘヴィメタルなサウンド。マリーを探して疲れ果てたジャガーは、「遥かな世界=死」に身を委ねようとさえ考える。「石で性器をつぶしても/君を好きでいられるから」ってのは壮絶。


12. Merry X' mas
クリスマスの夜、再び巡り逢うことができたジャガーとマリー。ふたりは限りない悦びに包まれて、そして永遠に死なない人間の魂に気付くのだった・・・映画「ゴースト」みたいや。(T_T) 「遥かな世界」でムード演歌ぽく始まりサビからぐぐっと盛り上がり、ドラマチックに展開していく壮大なバラード。ラストの「I SHALL RETURN!」のシャウトが胸に詰まる。






ここまで設定にこだわったアルバムを作ったロビンの非凡なセンスを改めて感じる。これまで一部熱狂的なファンにしか受け入れられへんかったTHE YELLOW MONKEYの世界がメジャーになっていくきっかけになった1枚。・・・とか書きつつ私は、この時期の彼らをリアルタイムで知らんねんなぁ。悔しいなぁ。この後アルバムが2枚出て、その後にやっとこ出会うんやけども、「jaguar~」が出るまでに出会いたかった! 一体何してたん私! 己の目は節穴かっ! くらい悔しい(笑)。


アルバムに先立って '94年2月21日に3rdシングルとしてリリースされた「9. 悲しきASIAN BOY」のジャケットは、坊主アタマに深紅の軍服ぽいスーツ姿のジャガー。このLovinがたいそうよろしくて♪ 曲がまたよろしくて(T_T) パワフルなサウンドに乗せて切ない物語を美しい言葉と力強い歌声で歌い上げるこの曲は、多分いろんな人の心に響くと思う。そんな1曲を軸にしてストーリーが展開するこのアルバム、初期のTHE YELLOW MONKEY入門にはもってこいかも。先週は、初期の彼らを知るためにはぜひ「未公開のエクスペリエンス・ムービー」を聴いて欲しい、て書いたけども、まずこのアルバムを聴いてからもっとディープな「未公開の~」へ、次に「夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー」、ほんで「BUNCHED BIRTH」へ、っちゅーのがmore betterかもかも。



↑ Judy画「ジャガー」(^_^)ゞ


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