日々徒然愉快探索

アラカンおひとりさま生活を徒然なるままに。

SICKS(4th.アルバム)

SICKS(1997.1.22リリース)

SICKS
SICKS
ファンハウス
ミュージック

1. RAINBOW MAN 2. I CAN BE SIT MAMA 3. 楽園 4. TVのシンガー 5. 紫の空
6. 薬局へ行こうよ 7. 天国旅行 8. 創生児 9. HOTEL宇宙船 10. 花吹雪 11. 淡い恋心だって言ってたよ 12. 見てないようで見てる 13. 人生の終わり(for grandmother)



FAN HOUSEへ移籍後第1弾っちゅーことで、THE YELLOW MONKEYにとっては需要な意味合いを持つこのアルバム。前作「FOUR SEASONS」で音楽的に新境地を確立した彼らが、さらにパワーアップして実力を見せつけ、各評論家に大絶賛された傑作。
ロビンは日記のように毎日できるだけ3曲は曲を考えてノートに書き留めてはって、そうやって書き貯めた300曲余りの中から80曲を厳選し、更に煮詰めた曲が選ばれてこのアルバムが誕生したらしい。収録曲全てが完璧に完成していて、24年経った今聴いても魅力たっぷりなロケンロール!!!




1. RAINBOW MAN
インドの音楽みたいなメロディで始まり、ロック調に変化する。浮遊感の心地いい曲。レインボウマンっつーのは昔TV放映されてた特撮番組のヒーロー。差別的問題があるいうて現在は放映不可能なんやそう(ロビン談)。歌詞の中に引用してはいるけども、揺るぎない自信と決意を持って前に向かって進んで行こうっちゅー前向きな歌。韻を踏む歌詞も、詩として美しい。


2. I CAN BE SIT MAMA
タイトルの意味はローマ字読みで「アカンベーしたまま」。世間の価値観に惑わされんと自分の価値観で誇りを持って生きてくぜっちゅー歌。オルガンの音色や口笛が渋くて効果的♪


3. 楽園
空前の大ヒットになった1996年11月25日発売の11thシングル。力強くて、重厚で、かつ伸びやかでポップ。バランスの取れた大人の男のロック。「赤い夕日を浴びて~」からのメロディが美しくドラマティックに盛り上がって、スケールの大きな曲に仕上がってる。


4. TVのシンガー
強力なギターリフで始まるハードロック。TVに出てくるシンガーを揶揄するような歌詞のこの曲は、3rdアルバム「jaguar hard pain1944ー1994」の4曲目「rock star」のアンサーソング。「ロックスターになれば羽根が生えてきて~」と気概に燃えつつ歌った彼らが、頂点に君臨しながら「TVのシンガーこれが現実/君の夢などこっぱみじんさ」と歌う。深い。


5. 紫の空
「ギャングの気分」っちゅー歌詞のせいでスパイかマフィアのイメージが私の中で出来てしまってる。ダーティで陰のある曲。恋愛を醒めた感情でぶっきらぼうに歌っているのが、なんともかっちょええ。


6. 薬局へ行こうよ
コミカルな小作品。アルバムの中で、後半への小休止の役割を果たしてる。ユーモラスな曲調に合わせて、歌詞はというと「ドゥドゥドゥドゥッドゥードゥー」時々「ワンワンッ!」「ハニー♪」。歌いながら笑ってるんが、なんとも楽しげ。


7. 天国旅行
思い切りシリアスでヘビーな曲。「思い出せるだけ思い出して遊びたい」と懐古し、「僕は孤独なつくしんぼう」といじけて「汚れるだけ汚れるのもいい」と自暴自棄になって「天国旅行に行くんだよ」と現実逃避しようとしている格好悪い男の歌か?


8. 創生児
2重人格のジキルとハイドか、正反対の人格のカインとアベルか、ふたつの性格のせめぎあいのストーリーを、声色で歌い分けてんのが凝ってる。曲は静かに幻想的な雰囲気で始まって、だんだん盛り上がって「守りたい 壊したい」のとこでリズムが変わるんが印象的。二人の掛け合いやったんが、最後「悪い奴は罰が当たるよ」の歌詞が「弱い奴は生き残れない」とぴったりハモる。


9. HOTEL宇宙船
ポップでシュール。エフェクトの効いたヴォーカルが宇宙的なイメージを醸し出してて、ファンタジックで味のある曲。


10. 花吹雪
ゆったりしたリズムの哀愁漂うメロディで、刹那感と大人っぽさの感じられる曲。「花吹雪 風の中 君と歩いた道」のところのメロディが懐かしっぽい。美しい幻想のような「君」と過ごしたときのことを切々と歌う。「この心 病い重い想い」「この身体 病いめまい」、Lovinお得意の言葉遊び。


11. 淡い恋心だって言ってたよ
「君」への想いをゆったりとしたメロディに乗せて包み込むように歌う、優しいラブソング。アンニュイなメロディに乗せてロマンティックな言葉で囁いているのに対して、ラストで「全開だもの 全開だもの なんか気持ちは」と声を歪ませて叫ぶように歌うのが印象的。


12. 見てないようで見てる
「見てないようで見てる」のフレーズのインパクトがが強烈。「紅茶の美味しい喫茶店」で見かけた「自信が化粧したようなプライド」の高い「ガルボ似の美しい君」を見てる僕。「でも気をつけな 見てるのは僕だけじゃないぜ」。


13. 人生の終わり(for grandmother)
美しく伸びやかなメロディに乗せて、肉親の死に直面して感じた悲しさ淋しさやるせなさを切々と歌い、死という重いテーマにまじめに向き合った曲。曲が終わった後、しばらくのミュートの後にピアノの伴奏に合わせて鼻歌のようにファルセットで歌う不思議な曲が数分間続く。




私はTHE YELLOW MONKEYを、TVで「楽園」のPVを観て初めて知った。
「楽園」のリリースは1996年11月25日やった。「楽園」が収録されたこのアルバム「SICKS」(1997年1月22日リリース)を待ち望んで買うて「日本にこんなかっこいいロックをやるバンドがあったやなんて!!」と驚いた。歌詞も曲も、全体的にシニカルな雰囲気が漂ってんのが凄く新鮮やった。
3ヶ月後に出た「TRIAD YEARS act 2」を買って聴いて、「昔の曲もええやんか♪」と思って、あとは順不同で出てるアルバムを総ゲット。初めて観たライブは、ドームになる前の西武球場での「紫の炎」ツアー。この時「一生付いて行く!」と心に決めた。


当時は「なんでもっと早よTHE YELLOW MONKEYに出会わへんかってんろ。」と嘆きもしたけども、恐らく「楽園」やったから、「SICKS」やったからこそ出会ったんやろな、とも思う。


そんなワケで、THE YELLOW MONKEYのアルバムの中で私が一番好きなアルバムは「SICKS」。THE YELLOW MONKEYを人に勧めるとき、「SICKS」をまず薦めたい。ほんで次に「TRIAD YEARS act 2」を聴いたらTHE YELLOW MONKEYを大好きになるはず。私がそうやったから。


「SICKS」を、少なくとも4枚は買うたように記憶してる。友達に聴いてもらいたいときに、ダビングして渡すことはせんとCDを買うてプレゼントしてきた。聴くだけやなくて、アルバムを手元に置いといて欲しい、詩もしっかり読んで欲しいし、ビジュアルも知って欲しい、という思いもあったんやけども、CDが売れたらロビンも喜んでくれはるやろし、と思うから。(^_^)ゞ 


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