日々徒然愉快探索

アラカンおひとりさま生活を徒然なるままに。

未公開のエクスペリエンス・ムービー(2nd. アルバム)

未公開のエクスペリエンス・ムービーEXPERIENCE MOVIE(1993.3.1リリース)


未公開のエクスペリエンス・ムービー
未公開のエクスペリエンス・ムービー
日本コロムビア
ミュージック


1. Morarity Slave 2. Drastic Holiday 3. Love is Zoophilia 4. 仮面劇 5. Vermilion Hands 6. DONNA 7. 審美眼ブギ 8. 4000粒の恋の歌 9. アヴァンギャルドで行こうよ 10. フリージアの少年 11. Suck Of Life 12. PUFF PUFF 13. シルクスカーフに帽子のマダム



まるで演劇か古い映画を観ているようなノスタルジックな匂いがする。Lovinが美輪明宏氏に影響を受けて作ったコンセプトアルバム。ジャケットは喪服のドレスをまとった「マリーさん」に扮したLovin。写真が小っちゃくて処理も施されててはっきりしいひんのが個人的には残念。
「1. Morarity Slave」に入る前にベートーベンのピアノソナタ14楽章「月光」。クラシックとロックの融合・・・うーん、素敵すぎる。
演劇的・退廃的・刹那的・・・ねっとりやしっとりな曲が多いけども、爪切りについて歌ってしまうロックも。シャンソンや歌謡曲を取り入れたりなどなど希有な曲が盛りだくさん。それでいて、しっかりとしたコンセプトが感じられる、初期のTHE YELLOW MONKEYのアルバムの中で最も完成されたアルバムやと思う。
ブレイク以降の作品群とは大分違いうけども、彼らをよく知りたいならば絶対に聴くべしべし。「3. Love is Zoophilia」はEMMAとの作曲。



1. Morarity Slave
ベートーベンの「月光」にエフェクトの効いた女声の台詞が被ってきてイントロへ。アブノーマルテイストいっぱいな曲と歌詞。曲の最後の方で電気のこぎりとおぼしき音が響くのも変態さんチック。タイトルからすると「道徳の奴隷」をあざ笑う歌。


2. Drastic Holiday
シャンソンぽい曲調に乗せて情熱的に歌い上げる恋の歌。Lovin曰く不倫の歌なんやそう。


3. Love is Zoophilia
歌い出しのメロディとかLovinのシャウトとか、めっちゃロケンロール♪
「破滅のミュージック~」のところのメロディが綺麗。EMMAとの作曲。


4. 仮面劇
重々しいビートで始まり、中盤でうねるように盛り上がるドラマチックな曲。シュールで演劇ぽい情景の歌詞は、Lovinの中で消化された美輪さんワールドなんやろか。


5. Vermilion Hands
「爪切りで爪が切れない。ストッキングが大事だからと昔、不器用な恋人に爪を切られたことがあるから・・・。」Lovin的いやらしさがそこはかとなく漂い、想像をたくましくしてしまう。


6. DONNA
しっとりと独り語りのようなヴォーカルに絡み付くアコースティックギターの音色が、冷たく降りしきる雨のような情景を映し出す。切なくもの悲しい曲。


7. 審美眼ブギ
軽快なブギーに破天荒な歌詞。ノリノリの曲。「キリンの首をちょん切って馬にする」とか、「ゴーギャンの新聞紙で尻を拭くんだ」とか・・・極彩色の抽象画を見せられているよう。一体どんな具合にこんな歌詞を思いつくんかと感服してしまう。明るい曲調、「審美眼」っちゅーテーマ、大好きな曲のひとつ♪


8. 4000粒の恋の歌
昭和のムード歌謡のような艶のある曲。恋に破れ裏切られ、身も心も虚無になってしまった女・・・じゃなくてオネエの歌。


9. アヴァンギャルドで行こうよ
「アヴァンギャルドで行こうよ」は2ndシングルとしてアルバムと同時発売された。はじけるような明るい曲、特に出だしの「DING DANG~」やサビの部分の「アヴァンギャルドで行こうよBABY!」など印象的なメロディと、年頃の女の子の気持ちを甘く歌う歌詞がポップでキャッチー。
ライブでも大盛り上がりの曲。ライブではこの曲の前に「オソソブギウギ」という東京ブギウギの替え歌がもれなくセットになってた。


10. フリージアの少年
物憂く気怠げなメロディ。歌の中に出てくる「少年」は、舞台俳優か歌手か吟遊詩人か・・・いずれにせよこのアルバムには陰がある登場人物が多い。


11. Suck Of Life
シングル「アヴァンギャルドで行こうよ」のカップリング曲。ライブでも大人気の曲。「幸せなんて言葉はない」の後の間奏のところでのLovinとEMMAの絡みはもはやライブにおける「観光名所」(笑)。そのあとメンバー紹介へ・・・と、この曲を聴くとライブの情景が浮かんでくる♪
主人公の男は、「女はケモノさ、君には必要ない」と男に囁き、その彼女に「君の彼はゲイでおまけにデブ」と言ってのけるとんでもないヤロー(笑)。そんな世紀末的恋愛を歌う粘るようなヴォーカル、曲は複雑な構成になっていて、印象深い1曲。


12. PUFF PUFF
シンプルで軽快なピアノに合わせて美輪さんばりのファルセットで歌う。


13. シルクスカーフに帽子のマダム
「ジャガーはライフルであの世行き・・・」この歌い出しで、マリーは3rdアルバムで出てくる日本兵ジャガーの恋人だということが判るんやねー。スケールの大きなスローバラードに乗せて、情感たっぷりにマリーを演じ歌い上げるヴォーカルには、鳥肌が立つほど感動する。7分58秒の大作。





私もライブで1回だけ「マリーさん」に遭遇したんやけども、「Lovin扮するマリー」っちゅーよりか「あ、貴女が噂のマリーさんですか。お目にかかれて嬉しい♪」と思ったなぁ。ほんで、ジャガーにはお目にかかったコトがないねんなぁ。ソロで活動してた頃にLovinはちょっと間、坊主頭やった事があって、それ観てジャガーを想像してみたりしてた。かっこ良かったやろなぁ♪


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