日々徒然愉快探索

アラカンおひとりさま生活を徒然なるままに。

ソウルフラワーユニオン「Screwball Comedy」

20年前の7月21日、1枚のCDを買うた。


ソウルフラワーユニオンの2年半振りの発表となるニューアルバム「Screwball Comedy」。
当時、新聞に載っていた紹介文をたまたま目にして興味を持ち、HMVで視聴しひと目惚れならぬ「ひと聴きボレ」して、それまでその存在も知らなかったこのバンドのCDを買い求めることになった。The Yellow Monkeyの活動休止以来、Lovinに次いで惹きつけられるミュージシャンに出会ったと思った。


「ヴォーカルはまず声ありき」が信条の私の耳に焼き付いた中川敬の声は、低くややハスキーで男臭さと哀愁が漂う。 Lovinの最大の魅力であるセクシー風味とはまた違うけれども、たっぷりで伸びやかな声量がいい。


このアルバムに並ぶ曲は実にバラエティ豊かで、しかもどれも彼にしか紡げないオリジナリティが確かな詩と曲。アーティストとしての幅広さがとても魅力的やった。彼は'89年のメジャーデビュー以来、パンク、ファンク、ラップ、アイリッシュ・トラッド、沖縄、アイヌなど、多様な音楽を取り入れ独創的な世界を構築してきたんやそうで、このアルバムもジャズ、ラテンなどの要素を取り入れた曲を含んで変化に富んでいる。




収録曲は全11曲。


1 サヴァイヴァーズ・バンケット
2 殺人狂ルーレット
3 荒れ地にて
4 ダイナマイトのアドバルーン
5 夏到来
6 野づらは星あかり
7 世紀のセレナーデ
8 オーマガトキ
9 GO-GOフーテン・ガール
10 NOと言える男
11 キャラバンに恋唄


「なんやなんやなんや。どんな曲なん?」と思わせませんか。




「荒れ地にて」
さやぐ風のむこう どしゃぶりのまたむこう
誰もいない荒れ地 名もない道の途中で
星屑に願いを 星の数だけ届けよう
夕暮れの少年は さよならだけを覚えた
にじむ夢のかけら 三日月に乗って揺れている
どこでもない荒れ地 名もない街のマダンで


  声はまだ聞こえる
  ハラへらして夢を喰う
  ここがどこであっても
  風がはらんだ荒れ地だろ


朝焼けに乾杯を 旅立ちに祝福を
もう一人の君と 出会うその日の為に
さやぐ風のむこう どしゃぶりのまたむこう
だれもいない荒れ地 名もない道の途中で


  声はまだ聞こえる
  ハラへらして夢を喰う
  ここがどこであっても
  風がはらんだ荒れ地だろ





「こんな言葉を紡ぎ出すこのヒトの感性は一体...。」


と思わせるような詩を書くヒトが大好き。
詩に自分の想いをシンクロさせて「そういうことやねん...。」とか「なるほどそうやんなぁ...。」とか思うのが好き。そう思わせる曲は深く深く私の心に寄り添ってくる。


彼は独特の世界観を持っている。
聴く程に彼の世界の広さを感じ、もっと彼の創る音楽を知りたいと思い、その後過去のCDも次々買って聴いた。
ほんで彼は、ヴィジュアル的にも私の心を揺さぶった。男性的な骨格、彫りの深い顔立ち、力ある瞳、少し緩んだときのヒトを喰ったような口元の表情。・・・好きやー♪(はいはい。)
ともかくこの1枚のCDに、当時の私はしばし心奪わレパワーを貰うことができた。もっと他の曲も聴いてみたいと、小さな楽しみを貰うことができたんやった。


最高傑作! 生き残った者達の宴のために。 朝焼けに乾杯を! 旅立ちに祝福を!


中川敬自身がこうコメントするこのアルバムを、1人でも多くの人に聴いて貰えたらええなと思う。


オフィシャルサイト→「魂花時報」


ブログランキング・にほんブログ村へ

×

非ログインユーザーとして返信する